2018年 10月 20日
我が家の歴史。 |
今回はTVの話を。
名家にあった古備前らしき壺を
キレイにしてほしいとの依頼。
蔵の軒先に無造作に置かれていた水瓶を査定士が見つけたのだが、
風雨にさらされ汚れている為、
年代などが特定出来ない為、洗浄して欲しいとの依頼だった。
問題は無い。
いわゆる洗い、私たちの作業の中では下地段階の作業になる。
しかし、個体は傷んでいる。
軒先に置かれど、屋外ゆえ経年の劣化は間逃れない。
壺肌はこれ以上剥離させたく無い、
慎重に作業を進める。
後日、完了した水瓶を査定しに
査定士の村上さんが工房へ。
(村上さんはスラっとした長身のイケメンで、古美術界の王子って感じでした。)
以下、放映内容を。
査定の結果、買い取り金額は〇〇万円!
桃山時代ならもっと高額で買い取りますとの事だが、、
話を伺っていると
江戸初期がまだ新しい?という妙な錯覚に陥る...。
400年前が!!
桃山美術はそれ以前の数十年間なのだが、たしかにスゴく
有田や伊万里、狩野派や千利休...
スーパースターも揃い、全てに洒落てるわけで..
やはり西の方が残っているのでしょうね
東京は空襲や、関東大震災でも多く失われてしまったんでしょうねぇ
けど..
この壺はいつからなのだろう?水瓶の役目も終え、
蔵の軒先に置かれ、日差しや風雨にも負けず、
地震にも耐え、痛み傷つきながらも
ただ現存していた、
〇〇〇年も〇〇家に添って... 立派なもんです。
本当にそう思う。
価値があると解ると、大切にしようと置き場所を変えたり、
磨いたりと慣れない事をしがち。
それで引っ掛けたり、倒したり、惨事に繋がってしまう。
これまで〇〇〇年もそこにあったのだから、
そこが定位置なんじゃないかな。
杉橋薫blog.〜修理びよりby.修理堂
Spesial Thanks.Okudasan,Tsujisan,Sakaisan,
&Murakamisan
収録後、査定士の村上さんに
私物を見てもらった。
ソレは私が小学生だった頃、家が増築され、
多分その時だったと思う。
親父が近所の骨董屋..ん?滝野川に骨董店は無かったろう??
(城北の下町には銀座や青山の様な雰囲気も需要もあるわけがない...)
あれは道具屋というジャンルの店だったのだろう。
まあ、そこで買ったきた九谷焼の唐獅子。
増築された和室の床の間にソレは置かれた。
この大きさは立派なもんだ、と
親父はご満悦だった様子を覚えている。
我が家の歴史だ。
私「これはどんなもんでしょう?」
村上さん「新しいですね!」
バッサリでした笑
by syuurido
| 2018-10-20 14:48
| 番外編